リップメイクとは?
「リップメイク」とは、文字通り唇に施すメイクのこと。
女性らしい美しさ、品格などが問われる重要なパーツです。
また、リップは他のメイク道具と比べても、色のバリエーション、タイプ、塗り方などが豊富なのが特徴です。しかし、自分にはどの色が合うのかわからないからいつもピンクや赤など定番のカラーで済ませてしまう、という人も多いですよね。
そこで、リップメイクの種類から塗り方、特に多く聞かれるお悩みまで「リップメイク」の基本をまとめてみました。
リップの種類~基本の3種類とテクスチャー~
「リップ」と聞くと、スティックタイプのものを想像する人も多いかもしれませんが、その種類は様々。
それぞれのポイントを押さえて唇をワンランクアップさせましょう。
(1)リップスティック
「口紅」とも呼ばれるリップメイクでは最もメジャーなアイテム。
比較的色の発色が良いものが多く、元の唇の色が見えないくらい濃く 塗れるのが特徴です。
かつてはマットで色落ちしやすいものが多く見られましたが、最近では潤いを持たせるものや色落ちしにくい製品も増えてきています。
(2)リップペンシル
リップライン(輪郭)を描くのに優れているアイテム。「リップライナー」と呼ばれることも。
基本となるリップスティックの色よりもやや暗めの色で縁取ることで、唇の形を綺麗にはっきりと出すことができます。
(3)リップグロス
グロスは、液がジェル状になっているリップメイクアイテム。
色の濃さは出しにくいですが、代わりにツヤと潤いが出せます。
リップスティックと併用されることもあれば、グロス単体で使われることも。
以上の3点がリップの主要なアイテムです。
唇を引き立てたいときは、3点すべてを組み合わせるとインパクト大な仕上がりに。
他のメイクとバランスを取りたいときは、3つのうち1,2個組み合わせる程度にするとラフな仕上がりになります。
テクスチャーの違いとは?
リップのテクスチャー、つまり「質感」は、顔料、ワックス量、油分、粘度などの微妙な違いで変化します。
代表的なものが以下の2点です。
・「ツヤ出しタイプ」
顔料とワックス量が少ない代わりに、油分が多いタイプ。そのことで、唇に光沢感を出しツヤのあるプルッとした状態に仕上がります。適度に潤いを持たせるものからグロスのようなものまで種類は様々です。
→リップグロス、リップティントなど
・「マットタイプ」
顔料が多く唇の色乗りがしっかりしているのがマットタイプです。濃く発色するタイプの口紅を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。ツヤ出しタイプに比べるとしっかりした質感ですが、潤いが少ないためすぐに乾いて唇がパリッとしてしまうこともあります。
→リップスティック、リップペンシル、クレヨンなど
リップの色
リップの種類はわかったけど、どの色を選べば良いのかわからない。そんなときは、自身の「顔の色」を基準に選びましょう。
顔のベース色
・「イエローベース」(オレンジがかった肌色)
血色の良いイエローベースさんには、「ナチュラルレッド」「ローズピンク」「ピンク」「薄いベージュ」などがおすすめです。リップの色を自然な赤やピンクといった色で合わせることで、イエローベースさんの明るい肌色を活かすことができます。
・「ブルーベース」(青みがかった肌色)
全体的に色素が薄めで頬の赤味が目立つブルーベースさんには、「濃いめの赤やピンク」「ベージュ」「カーキ」などがおすすめです。季節によっても違いはありますが、イエローベースさんよりもマットで濃いめの色をチョイスするのが良いでしょう。
あなたはイエベ?ブルべ?
どうやって調べるのか?一目でわかる方法をご紹介しますね。
まず、自分の手首を出してください。普段日焼けもしないので、ここが一番生まれた肌の色に一番近い部分ですね。
手首って細いので、血管が見えますよね。
その血管の色を見てください!
・緑色…イエローベース
・青色、赤色…ブルーベース
そして日焼けをすると黒くなる?それとも赤くなる?
・黒くなる人…イエローベース
・赤くなる人…ブルーベース
と言われています。
色で印象は変わる
顔の色も大切ですが、その日の気分によって色をチョイスするのもアリです。そこで、色による印象の違いをまとめてみました。
・赤
グラマラスな色の代表格「赤」は、上品で華やかな大人の雰囲気を出したいときにおすすめ。ここぞというときの勝負色にも向いています。また、服装が地味なときも、リップを赤にするだけで一気にこなれ感を出すことができます。
・ベージュ
ヌーディーなベージュは、素肌の色のようなナチュラルな美しさが出せる色。それでいて色っぽさもプラスできる万能カラーです。仕事からプライベートまで、基本的にはどんなシチュエーションにも合います。地味と思われがちですが、赤みの強いタイプもあるので派手さもきちんと出せます。
・ブラウン
堅めのブラウンは知的な印象が出せるので、子供っぽさに悩んでいる人におすすめです。ブラウンといっても完全な茶色ではなく、どちらかといえば濃いめのオレンジや青みがかった赤に近いカラーが多いです。
・ボルドー
ボルドーとは、ワインレッドのような青みがかった濃い赤のこと。つけるだけで強烈なインパクトを残せるカラー。強い女性をアピールしたいときにおすすめです。また、普通の赤色よりもグラマラスで大人の色っぽさが出せるので、デートのときやフォーマルな場にもピッタリです。
リップメイクのポイント
リップの種類や色がわかっても、実際に使いこなせなければ意味がありません。そこで、リップメイクにおけるテクニックとポイントをいくつかご紹介します。
1:プチプラで高級感あふれる口元に
2000円以内で買えてしまう、いわゆるプチプラコスメ。そんな安くて便利なプチプラリップで、まるで高級なブランドリップを使用したかのような唇に仕上げるコツは、ずばり「ハイライト」。顔に立体感を出したりアイシャドウの一部として使われることの多いハイライトですが、唇に立体感を出すときにも使えるアイテムです。
(用意するもの)
「ハイライト(もしくはハイライト入りのアイシャドウ)」「リップティント(色落ちしにくいリップ)」
(やり方)
まず、ハイライトを上唇の山になっている部分に広げ、さらに下唇の中央に丸く円を描くように塗ります。その上から、リップティントを覆い被せるようにたっぷりと塗ります。これで、プルンとした光り輝くリッチなリップの完成です。
<ポイント>
・ハイライトを上唇に塗る際は、唇からはみ出すくらい多めに塗る。
・下唇のハイライトは丸く
・リップティントはたっぷり多めに
2:適度にツヤ出しするグロスの塗り方
プルプルでツヤのある唇を演出できる「グロス」。手軽なのでグロス単体だけで使用する人も多いですが、付けすぎるとベタベタしてしまうのが難点。そんなグロスの塗り方のポイントがこちら。
(用意するもの)
「リップグロス」「リップスティック」
(やり方)
まずは、リップスティックを唇全体に塗ります。次に、グロスを上唇は山の部分に、下唇は中央付近に塗ります。これで完成です。
<ポイント>
・上唇のグロスは多めにはみ出す程度でもOK
・下唇のグロスは下部には塗らず中央に軽く乗せる
3.口角を上げるリップメイク
口角に影ができると、怒っているように見えて印象が悪いですよね。そんなときに便利なのが、くま消し等に使われる「コンシーラー」。そんなコンシーラーを使った口角上げメイクのやり方をご紹介。
(用意するもの)
「コンシーラー」「リップスティック」「フェイスパウダー」
(やり方)
コンシーラーを少量取り、口角(口の端)の下にちょんと点で付けます。次に、付けたコンシーラーを指で斜め上方向に伸ばします。このとき、口角を上に上げるようなイメージで伸ばしましょう。その上から、ベビーパウダーを乗せてコンシーラーを目立たなくします。最後にリップを塗って完成です。
この他にもコンシーラーは、輪郭を消せば唇の厚さを自由に調節できたり、唇全体に塗ればくすみも取ることができるなど、口角を上げる以外にも使えるので1本は持っておくと便利ですよ!
<ポイント>
・コンシーラーは肌によく馴染むものを使用する
・コンシーラーは必ず上向きに伸ばす
4.派手な色を馴染ませるテクニック
赤やピンク、オレンジといった派手色は、一度は使ってみたいカラーですよね。しかし、塗り方を間違えると主張が強すぎて唇だけ浮いてしまうことも。そうならないためにも、それぞれのカラーに合ったテクニックを身につけましょう。
(用意するもの)
「赤、ピンク、オレンジ(使いたいカラーをチョイス)のリップ」
(赤リップのやり方)
できるだけ透明感のある赤リップを、口の端を残して(5mm程度)中央に塗ります。リップを塗る前にファンデーションやコンシーラーで輪郭を消しておくと、ぼんやりとした口元になり悪目立ちしません。濃い赤の場合は、コンシーラー等で輪郭を消した後、指でポンポンと唇全体に塗ると適度にムラが出て他のメイクと合わせやすくなります。
(ピンクリップのやり方)
内側は控えめに、輪郭はしっかり塗るのがポイント。上唇は少しオーバーライン気味に塗ります。
(オレンジリップのやり方)
まず最初に唇全体にオレンジリップを薄めに塗ります。次に唇の中央に同じオレンジリップをハート型になるように塗り重ねます。指でポンポンと塗るとやりやすいですよ。
<ポイント>
・全体は薄く塗り、要所要所でしっかり塗ってメリハリを出す
・リキッドタイプを使うことで発色を抑える
・適度なムラを出す
リップの塗り方
ここからは、具体的に「リップスティック」「リップペンシル」「リップグロス」の3種類の塗り方をレクチャーします。基本から応用までご紹介するので、TPOで使い分けてみてくださいね!
・リップの塗り方4種類
直塗り:スティック、もしくはチップから、唇に直に塗る方法。程よくラフな仕上がりになり、色も付きやすいのが特徴。
指塗り:スティックやチップから指に取って塗る方法。色ムラが出て程よい抜け感に。
筆塗り:筆(リップブラシ)を使って塗る方法。輪郭も描きやすく、整った塗り方ができるため上品さが出せるのが魅力。
スポンジ塗り:スポンジに液を馴染ませてポンポンと唇に乗せる方法。主張しすぎないキメ細かいリップに。
・リップスティック
(基本の塗り方)
1.リップを適量(3mm程度)出します。
2.唇の中央から塗ります。このとき、唇の粘膜側(口腔側)から輪郭に向かって塗り広げます。色ムラが出ないよう均一の濃さになるまで往復させます。
3.上唇の輪郭は、リップのエッジ部分を使って山に沿うように描きます。弧を描くように塗るのがポイント。下唇の輪郭は、片方の口角から一気に反対の口角まで塗ります。
4.口を軽く開け、上下の口角がつながるように端の隙間を埋めます。最後に上唇と下唇を軽く擦り合わせれば完成です。
(応用編)・・・大人可愛いリップの作り方
1.ベージュのリップをブラシに取って、唇全体に塗ります。輪郭よりもややオーバー気味に描くと◎
2.赤リップをブラシに多めに取って、唇中央付近にハートを描くように塗ります。
3.上唇と下唇を軽く擦り合わせベージュと赤を馴染ませたら、大人可愛い立体的なふっくらリップの完成。
・リップペンシル
(基本の塗り方)
1.唇の中央(粘膜側)から、縦横と交互に動かしながら口角に向かって塗ります。
2.中央→口角の順で左右分けて上下唇の輪郭を描きます。鏡でチェックしながら丁寧に引きましょう。途切れやはみ出しがないようであれば完成です。
(応用編)・・・リップペンシルを使ったふんわりリップの作り方
1.パール入りのリップペンシル(ライナー)を使って、輪郭を描きます。上唇はややオーバーリップ(輪郭から少しはみ出す程度)に引き、下唇はラインに沿って描きます。
2.同じリップペンシルを使って内側の唇を塗りつぶせば完成。
・リップグロス
(基本の塗り方)
1.唇の中央(粘膜側)から口角に向かって塗ります。このとき、輪郭部分は残します。
2.上唇の山の部分を避けて輪郭を塗ります。下唇は、片方の口角からもう片方へつなげます。最後に軽く唇を擦り合わせて完成。
(応用編)・・・グロスで上手く色を出す方法
1.グロスの液を、手の甲に多めに乗せます。
2.リップブラシを使って、手の甲のグロスを唇に塗れば完成。一旦手の甲に多めに乗せることで、綺麗に発色し色ムラも抑えることができます。
リップメイクのお悩みQ&A
Q1. 上唇が薄くてふっくらと見えない。
A. 上唇をオーバーライン気味に描く。
上唇が薄くてバランスが悪いと感じるときは、リップペンシルで上唇の輪郭を少しオーバーに描くとふっくらリップになります。上唇:下唇=1:1の比率になるくらいが目安です(※自身の唇の厚さを見て調節してください)。他にも、唇の内側に薄いピンクやベージュを塗り、濃いめの色で輪郭を描くと唇がふっくらとして見えます。
Q2. 唇のシワが目立ってしまう。
A. リップクリームで唇に潤いを。
リップメイクをしてシワが目立ってしまう原因の多くは、唇の「乾燥」です。日頃から、リップクリームやパックで唇の保湿を念入りに行うようにしましょう。それでも目立ってしまう場合は、唇への密着度が高いリップペンシルを使うのがおすすめです。
Q3. 出っ歯が強調されてしまう。
A. 淡い色のリップでカモフラージュ
出っ歯の人は歯茎が目立つ人が多いので、濃いめの赤はNG。代わりに、薄めのピンクやベージュなどで視線を逸らしましょう。ツヤの出せるリップグロスを使うと、よりふっくらした唇に目が行くのでカモフラージュ効果大。
Q4. 唇の赤みが強くてリップの色が合わない。
A. コンシーラーで元の色を抑える。
コンシーラー、もしくは顔に塗る際のファンデーションが便利です。ほどほどに色を抑えたいときは、ファンデーションを唇に薄く塗り、赤みが強い場合はコンシーラーでしっかり消すのがおすすめです。
Q5. リップとチークの色は合わせたほうが良いの?
A. できるだけ揃えたほうが見栄えが良い。
全く同じ色ではなくても、同色系で揃えたほうが顔全体のバランスが良く見えます。オレンジ系、青系、ピンク系…というように、自身の顔の色に合う色を選びましょう。→「リップの色」参照
Q6. リップ下地って何?
A. 発色を良くし、ケアもできるリップ用の下地のこと。
リップ下地は、唇のシワをカバーしてくれるので発色と色持ちが良くなり、さらに色素沈着防止効果も期待できる優秀なアイテムです。あまりメジャーなアイテムではありませんが、持っていると便利な一品です。
Q7. 唇のケアの方法を教えて
A. きれいに落とす&月1程度のスクラブケア
美容液成分入りのリップも増えてきましたが、ずっと落とさずにつけておくのは唇にとってはあまり良いとはいえません。メイクをするたびにしっかり落とし、できれば月に1、2回程度スクラブケア(細かな粒子で角質などを落とす方法)をするとリップをプルプルの状態に保てます。乾燥しやすい人は、常日頃からリップクリームなどでしっかり保湿しておきましょう。
リップから雰囲気を変えよう!
色の濃さ、テクスチャー、塗り方などでガラリと印象が変えられるリップ。
いきなり難しいやり方をせずに、まずは基本の塗り方をマスターすることをおすすめします。
慣れてきたら色んな方法を試して、口元からイメージを変えていきましょう!